大きさと時間が重なって積み上がる
大きな音に長くさらされると、内耳の蝸牛で音を感じ取る有毛細胞が傷つきます。この細胞は一度壊れると再生しないため、騒音による難聴の多くは元に戻りません。大切なのは、害が音の大きさだけでなく、さらされる時間とともに積み重なるという点です。職場の騒音管理で広く使われる基準の一つは85デシベルで一日8時間で、3デシベル上がるごとに許容時間が半分になります。とても大きな音を短く聞くことと、ほどほどに大きな音を一日中聞くことが、同じくらいの負担になりうるということです。
騒音で傷ついた聴力は元に戻りにくいものです。イヤホンの音量と聞く時間の目安、耳が出す警告のサインをまとめました。
大きな音に長くさらされると、内耳の蝸牛で音を感じ取る有毛細胞が傷つきます。この細胞は一度壊れると再生しないため、騒音による難聴の多くは元に戻りません。大切なのは、害が音の大きさだけでなく、さらされる時間とともに積み重なるという点です。職場の騒音管理で広く使われる基準の一つは85デシベルで一日8時間で、3デシベル上がるごとに許容時間が半分になります。とても大きな音を短く聞くことと、ほどほどに大きな音を一日中聞くことが、同じくらいの負担になりうるということです。
イヤホンの実際の音量は機器やイヤホンの種類で変わるため、一つの数字で決めるのは困難です。そこでよく勧められるのが、最大音量の60パーセント前後を超えないようにし、一時間ほど聞いたら少し休むという方法です。音量は静かな部屋で楽に聞こえる大きさに合わせておくのがよいでしょう。うるさい場所で合わせると、目安そのものが高くなってしまいます。スマートフォンにある聴覚保護のための音量制限や、聞いた音量の記録機能をオンにしておくと、習慣を見直すのに役立ちます。
電車やバスのように周りの騒音が大きい場所では、音楽を聞こうとして音量をどんどん上げてしまいます。このとき耳に入る音の合計は、周りの騒音と音楽が足し合わさって非常に大きくなります。耳をしっかりふさぐカナル型イヤホンや、ノイズキャンセリング機能のある製品は、低い音量でもよく聞こえるので、結果的に耳を守ってくれます。ただし歩いているときや自転車に乗っているときは周りの音が聞こえないと危ないので、外の音を取り込むモードを使うか、片耳だけにするなどして調整します。
ライブ会場、クラブ、カラオケ、音楽を大音量で流すジムは、短い時間でも耳に大きな負担をかけます。ライブを楽しみながら耳を守るには、音を均一に下げてくれるライブ用の耳栓を使う方法があります。一般的なスポンジ耳栓でも、ないよりずっとましです。スピーカーのすぐ前は避け、ときどき静かな場所に出て耳を休ませます。ライブのあとに耳がこもった感じがするなら、翌日まで大きな音を避けるのがよいでしょう。
大きな音を聞いたあとに耳がこもったり、キーンという音やブーンという音が聞こえたり、会話が遠く感じられたりするなら、耳はすでに限界を超えたという合図です。こうした症状は一日二日休めば消えることが多いものの、同じことを繰り返すと回復しない損傷につながることがあります。症状が消えたから大丈夫なのではなく、警告と受け止めて音にさらされる時間を減らすべきです。にぎやかな店で会話が聞き取りにくくなるのも初期の変化かもしれないので、軽く流さないようにします。
はっきりした理由もなく急に片耳が聞こえにくくなったら、突発性難聴の可能性があります。治療を早く始めるほど回復の見込みが高いとされているので、数日様子を見たりせず、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診します。耳の痛みや耳だれ、強いめまいを伴うとき、耳鳴りが数日たってもおさまらないときも受診が必要です。この記事は一般的な生活上の案内であり、診断の代わりにはなりません。
子どもは音量が大きすぎることを自分で判断しにくく、耳の穴が小さいため、同じ設定でも鼓膜に届く音が大きくなることがあります。子どもには音量制限機能のあるヘッドホンを使わせるか、機器の最大音量を制限しておくほうが安全です。十代は一日の大半をイヤホンを着けたまま過ごすことも多いので、時間と音量について一緒に話しておくとよいでしょう。
聴力を守れるかどうかは、一度の大きな決心より毎日の小さな習慣で決まります。次の項目を日常に組み込んでおけば、大した手間なく耳を守れます。